無い!

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カギが無い。ポケットに無い。バッグにも無い。手提げ袋にも無い。
もう一度さがせ、と友人が言う。
2つのポケットには入ってない。
バッグも袋もすっかり空っぽにしたけれど、カギは無い。
カギは更衣室ロッカーのカギである。ロッカーのカギを返さないと靴箱のカギを渡してもらえない。
「左手は?」と向かい側から女性がニッコリ。
あった!左手首にブレスレットのように巻いていた。
「年をとったら誰にも覚えがあること」。友人がズケッと言った。
ああ、おデコに眼鏡を押し上げたまんま、メガネ、メガネ、どこに置いた?と探していたな~、父。

花束

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ことちゃん4、はなりちゃん2、りこちゃん1。
作文教室のこどもたちのピアノ発表会の日、わたしから贈る花の本数である。
「初めての発表会にはお花を1本持って行くよ、10回目になったら10本持って行くよ」、
こどもたちに約束をしていた。
さすが、4回目となることちゃんは、白鳥の湖をふんいきも良く弾きあげた。
2回目のはなりちゃん、1年たったらこんなに上達するの?
りこちゃん、1回目とは思えなかった。しっかり弾けたね。
たった1本、たった2本。かすみ草を加えたけれど、小さすぎる花束。4本は少しは花束らしくなったかな~?
大きな花束を贈れる日を楽しみにしよう。
杖に頼らず、背筋をシャンと伸ばして、花束を抱えて聴きに行かねば!

日に日に

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秋になってもなお暑い日が続いたので、今年の紅葉はどんなふうだろうか?と案じていたが、このところ朝晩の冷え込み強く、いっきに山がきれいになった。
今朝はビュウビュウと激しい風。木の葉、小枝がパラパラと舞い落ち、降った葉が車のワイパーに留まっている。
大きく枝を広げているわが家のモミジ。緑の葉の上に赤い帽子をかぶせたように色づいている。
里を取り巻くなだらかな山々も、わが家のモミジも、日に日にだんだんと、濃く鮮やかに染まっていきそうだ。
あとしばらくは、この里の暮らしが楽しい。

まだまだ…。

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郵便局へ行ったら、「切手、来てますよ」と局長さんに声をかけられた。年賀状に貼る干支の切手である。
「うわア―、まだ要りませ~ん」。
何年か前、12月も中旬になって、干支の切手200枚を求めに行ったら、その小さな郵便局にはわずかな枚数しか無かった。
取り寄せます、とのことだったが、出かけるついでがありますから、と大きな郵便局で買った。
翌年から、はやばやと、「干支の切手は何枚入用ですか?」と尋ねられる。
今年も、11月になったばかりの日に窓口を訪れたら、「切手、来てますよ」。
まだまだ年賀状を書く気分になれない。来年の干支の切手を傍に置きたくない。
なので、12月に入るまで予約継続中とさせていただく。

トマト狩り?

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センセイのお宅に伺った。
センセイは「トマト狩りをしますか?」とおっしゃる。
トマト狩り?
それは、初めて見るトマトの光景であった。まるでジャングルのようであった。
少ししゃがむ姿勢となって見上げれば、トマトの茎や葉が絡みに絡んで、ドームのような形状になっている。隙間から青い空が見える。
アイコという名の真っ赤なミニトマトが天井からぶら下がり、あるいは、絡んだ茎や葉に押し上げられて横たわってしまっているのもある。
野鳥がついばみに来るのを防ぐネットの網目を茎や葉は潜り抜けたり、はみ出したりで、縦横に伸びて絡み付いたようだ。
網目の外に出てしまったトマトに指が届かない。熟れたトマトは触れると落ちる。
トマトのジャングルでトマト狩りをした。
赤くて可愛いトマトが箱にいっぱいになった。

クボガキ

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今年はずいぶんたくさん実っている。
この辺りではクボガキと呼ぶ小さな柿が青空に映える。
こどもの頃、秋のおやつと言えば毎日、ふかしたお芋、ゆでた栗、そして柿ぐらいのものであった。
柿の木に登ってもぎ取りながらかじった。まるで猿である。
恥ずかしくなったか?体が重くなったからか?いつの頃からか、木に登ることは無くなった。クボガキを食べることも無くなった。
こどもたちが木に登っている光景も、竿をユラユラと差し伸べている様子も見なくなった。
クボガキのほのかな甘さよりも、濃厚な味わいのお菓子がいっぱいあるものな~。

お隣さんとクボガキ採りをした。
竿竹の先端に切り込みを入れ、小さな枝など差し込む。昔ながらの柿採りの道具である。
「こんな道具で柿を採ったことありません」
お隣さんは初めての経験が楽しいようで、どっさりの収穫となった。

呼び方

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「おばちゃん、あんたまだ黒い髪あるな~。わたしはもう真っ白で…」、隣に座った人に声をかけられた。
知らない人である。
「きれいな白髪ですね」と誉めれば良かったのかも知れないが、年上らしき人に「おばちゃん」と呼びかけられて戸惑ってしまって、その場に合うことばが出なかった。
どう言えば良いのだろうか?
お姉さんとも呼べないし、おばあさんとも言えない。
とりあえず、名前を尋ねようか?
今、会ったばかり、これから先、付き合う人でもないしな~。
名前を知らない、特に、年上の人への呼びかけかたに困る。

キノコ

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曇り空のもと出かけたら、突然の雨。
周りは真っ白に煙り、走るのが怖い。
車を停めて、しばらくは雨宿りとなった。
連日の雨、雨、雨である。9月の日照時間は平年の半分以下とのこと。
林の中にあるわが家の周囲にはキノコがニョキニョキ。本数が増え、茎の丈が伸び、傘が大きく広がっていく。
シメジのような、シイタケのような姿であるけれど、食べられないだろうな~?
台所の窓の下に真っ赤な丸い粒が2つ。ミニトマトを捨てた覚えは無い。
そばにしゃがんで見れば、これもキノコ。初めて見る赤いキノコ。
昔、押し入れの中にキノコが生えている漫画を読んだ。
幸い、押し入れの雨漏りも修繕したことだし、いくらなんでも、わが家の押し入れにキノコは生えないだろうが、家の周りには得体の知れないキノコがニョキ、ニョキ、ニョキ…。

蚊帳

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カヤツリグサって何ですか?と問われた。
遊んだこと無いですか?
茎を根元の方からツーッと引っ張りあいっこしたら四角い形ができあがる。
ちょうど蚊帳(かや)を上から見た感じになる。だから、蚊帳吊り草。
蚊帳なんて見たこと無い人が多いんですね、最近は。
昔、紙の障子か板の雨戸で家の内外を隔てていた頃、網戸などは無かったから、夏は蚊対策に蚊帳が吊られた。
透けて、薄くて、細かい網状の蚊帳は、蚊を通さず、風を通す優れものである。
母子の寝床をすっぽりと覆う蚊帳。なんだかうれしくて、はしゃいでしまう。
寝そべったまま足を蹴り上げ、蚊帳の天井に爪先が届くのはどちらが先か?姉妹でバタバタと騒いだ。
こどもたちにはうれしくて楽しかったけれど、蚊帳は、夜に吊って朝には取り外し、畳んでかたずけなければならない。
けっこう面倒くさかったようだ。

鹿が…。

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ん…? 台所の窓から数メートルのところに鹿がいる。
窓の前は山である。
日頃から、鹿や猪が山から出たり入ったりしているらしい。朝、痕跡を見る。
木々の葉っぱが大人の腰のあたりの高さに切り揃えたように無くなっている。
木や葛の根元が掘り起こされている。
ときには、花を囲っていた石が、それも片手では持ち上げられない重い大きな石が、あちらこちらに散乱していたりする。
「猪です」、「鹿です」、と近隣のどなたも断言される。
狼藉は夜の間のことで、食事の様子も、土掘りの荒作業も、現場を見たわけではない。
深夜にうごめくものの音や気配を感じたときは、翌朝、鼻先で玄関扉を叩いたかも知れぬような、扉の間際が掘り返されていたり、まさか、覗こうとしたわけではあるまいが、窓の真下に足跡を見ることもある。
夜、獣との遭遇は怖い。身を潜めているより他ない。

朝、目の前数メートルで草を食む鹿の姿には恐怖心がほぐれていく。
「ま、ごゆっくりどうぞ」。