月別アーカイブ: 2016年9月

蚊帳

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カヤツリグサって何ですか?と問われた。
遊んだこと無いですか?
茎を根元の方からツーッと引っ張りあいっこしたら四角い形ができあがる。
ちょうど蚊帳(かや)を上から見た感じになる。だから、蚊帳吊り草。
蚊帳なんて見たこと無い人が多いんですね、最近は。
昔、紙の障子か板の雨戸で家の内外を隔てていた頃、網戸などは無かったから、夏は蚊対策に蚊帳が吊られた。
透けて、薄くて、細かい網状の蚊帳は、蚊を通さず、風を通す優れものである。
母子の寝床をすっぽりと覆う蚊帳。なんだかうれしくて、はしゃいでしまう。
寝そべったまま足を蹴り上げ、蚊帳の天井に爪先が届くのはどちらが先か?姉妹でバタバタと騒いだ。
こどもたちにはうれしくて楽しかったけれど、蚊帳は、夜に吊って朝には取り外し、畳んでかたずけなければならない。
けっこう面倒くさかったようだ。

鹿が…。

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ん…? 台所の窓から数メートルのところに鹿がいる。
窓の前は山である。
日頃から、鹿や猪が山から出たり入ったりしているらしい。朝、痕跡を見る。
木々の葉っぱが大人の腰のあたりの高さに切り揃えたように無くなっている。
木や葛の根元が掘り起こされている。
ときには、花を囲っていた石が、それも片手では持ち上げられない重い大きな石が、あちらこちらに散乱していたりする。
「猪です」、「鹿です」、と近隣のどなたも断言される。
狼藉は夜の間のことで、食事の様子も、土掘りの荒作業も、現場を見たわけではない。
深夜にうごめくものの音や気配を感じたときは、翌朝、鼻先で玄関扉を叩いたかも知れぬような、扉の間際が掘り返されていたり、まさか、覗こうとしたわけではあるまいが、窓の真下に足跡を見ることもある。
夜、獣との遭遇は怖い。身を潜めているより他ない。

朝、目の前数メートルで草を食む鹿の姿には恐怖心がほぐれていく。
「ま、ごゆっくりどうぞ」。