月別アーカイブ: 2016年1月

大寒

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身体が押され、踏んばってもズリズリと走らされる。
冬将軍の采配のもと、”雪起こしの風”が暴れる。
煽られたマフラーが頬を打つ。
このところ脚が頼りないので杖を持って出たが、役にたった。
風の中を杖にすがってヨロヨロ、フラフラと歩く。いつだったか、こんなシーンを見た。
座頭市か?市の杖には刀が仕込んであった。
わたしは、ときには雨傘を、武器ならぬ杖がわりにしているが…。
杖を突いて風の中を歩きながら、座頭市なんぞを思い浮かべたが、
片や、風になぶられ白髪をそそけ立たせた老婆である。
座頭市とは、昭和もずいぶん昔の話。古いな~。
どうにか行って戻って、さて翌日は、やっぱり雪になった。
暦は大寒。
雨戸を繰れば一面の雪。
降ってしまえば、かえって暖かい。
風もおさまって、朝陽がやわらかく射し込み、雪を輝かせる。
お日さんはありがたい―、母の口ぐせをつぶやいてみた。

いつもの冬に…。

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曇天、曇天…。隙間から白い太陽がペタンとのぞいたが、また次の雲に隠れてしまった。
冬なのに、日々の暖かさに身も心もゆるんでいた。
梅かと思えば桜の花がポツ、ポツリ。ツツジも咲いた。
山よもう笑うのか?と問うたほど。
遠目にも山は軽やかなピンクに見えたし、ひとところ、ふたところと固まった木々は、
芽吹きの色に霞んだようで、産毛光る頬っぺたをふくらませた幼女を思い浮かべさせた。
ようやく冬将軍が馳せ参じたのは数日前のこと。
どこで道草をしておられたのやら?春七草を囃す音に我にかえって、黒雲に乗っての登場か?
とたんに山々は目を伏せ、頬引き締め、黒い覆面を着け、謹んで頭を垂れた図となった。

山里の冬―、いつもの景色は、ああ、こんなものだった。

新年2016

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暖かい年末年始―。
凍てつく日々を覚悟している身にはありがたい。
例年なら、室内でも2℃、1℃の朝がある。そんな朝はしばらくは、ストーブの前30㎝の位置から離れられない。
あい変わらずエアコンも床暖房も無い暮らしである。
年なのだから、意地を張らずに、の忠告を受ける。
凍える朝は辛いけれど、もっと寒い家で育った。
土間との間を隔てる戸も紙障子も無い広い板の間に囲炉裏があったが、他の部屋では手あぶり用の火鉢と寝るときの炬燵だけだった。
部屋も狭いし、間仕切りの板戸もガラス戸もある小さなわが家は、ずうっと暖かい。
やはり、やせ我慢か?

今年の冬は、ストーブの前にうずくまるという朝はまだ無い。
ツツジがチラホラ咲いている。ちょっと変な気候。
身も心も緩んでいると、ある朝室内で1℃なんて日が来るかも―。来るだろうなぁ。

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