月別アーカイブ: 2015年3月

心ほどける春、です。

ン?もしかしたら?やっぱり!
向かいの山の中ほどに白い花がチラホラと見える。
3月30日。この春初めて見つけたコブシの花。
タムシバというのがほんとうの名前らしいけれど、ニオイコブシの別名があるのならコブシとしよう。
昨年の春、こんなことを書いたら、目に留めてくださった方から、思いは同じ、あれはコブシですとコメントをいただいた。
ウグイスは、もう春ですよね?と、まだまだ試し鳴きをしているかのようで、ちょっと来い!と春の林に誘い出すように鳴くコジュケイも鳴かぬ日もあり。
アシビに梅、椿も咲き継ぎ、桜の蕾も大きくふくらんでいるけれど、山にチラリと白い花を見つけたときこそ、春になった、春が続く―、そんな安心感がわいてくる。
「今年もコブシが咲きました」。

うったり

春はむしがいっぱい、と一人が書くと、もう一人も同じことを書く。
楽しげに描く絵(作文教室なのに…)にしても、目パッチリ、長い髪の女の子、空には太陽という構図が同じになる。
ひとつの机で隣り合い、向かい合わせに座っている。
あ、その子カワイイ、その色いいな!と、同じ色が塗りたくなって、同じ情景を描きたくなるようだ。
作文も、春、むし…と書き始めると、わたしだって虫を見たもン、わたしも書く、となるのか、ついつい、同じ文章になってしまう。
春になったら出てくるのは虫だけ?とちょっと誘導する。
鳥がいる。蝶々も、と書くようになる。
うったり、と書いた。うっとりではなくて、うったりである。なるほどそれもいいなあ。
やがて、次から次へとことばが出る。筆が走りだす。
ふだんはノートに鉛筆で書いている。たまに毛筆で大きな字を書くようにすすめると、面白いらしくて、準備しておいたさまざまなサイズの紙にどんどん書いていく。
床一面に敷き詰めた新聞紙に墨汁たっぷりに書いた作品が並ぶ。

  あったかいようで
  すずしいようで
  わからないけど
  ちょうどいいくらいだね    りこ・1年生

  さくらの下は
  パーティみたいに
  とってもにぎやか       はなり・2年生 

  人は、ポカポカできれいだよ
  人は、にこにこ        いろは・2年生 

  のはらの草の上で
  ねころんで
  うったりしよう        ことみ・2年生 

  新しい
  ステップ           たかあき・4年生 

詩人たちの作品がたくさん生まれた。
春休みにご家族のみなさんに見ていただこう、と準備中である。

●作文教室の作品展は     3月25日~3月31日   1時~5時  場所: ぶんあん 
      
  

春眠、…ず!

久しぶりに電車に乗った。
午後2時の各駅停車の車内に乗客は少ない。
陽が射し込んでいるが、どの窓もブラインドは閉められず、空いたシートに、通路の床に、太陽が拡がっている。
頭をまっすぐに立てたまま目を瞑っている人、うつ向いている人、頭を横に傾けてはフイッと元に戻す人。やわらかな春の陽が眠りを誘う。
目の前の席の若者が急に頭を起こして、キョロキョロ。「……」なにごとかつぶやいている。
次の駅で降りて行った。
約束の時間があったのでは―?

力持ち

猪が出た。
一頭か?ペアでか?親子連れでか?仲間も居たか?
裏山と山道がさんざんに荒れている。
鼻か頭を枯れ葉の中に突っ込んで、そのままグイッと土を掘り起こし、押し出して、ノッシノッシと歩いたのか?ドドドッと走ったのか?
穴が開き、起こされた土がモグリモグリと盛り上がっているところが、一筋、二筋。
山椒や木槿の小さな木の周囲に並べて置いていた石が不規則にずれている。囲いの外へ転がり出ている。
元の位置に戻そうと足で押してみたとて、動かない。
走る、掘る、押す、転がす…。夜中に猪が運動会でもしたような。その様子、見たかったな~。

ブンタン

毎年、三月の初めごろ、高知の知人からブンタンを届けていただく。
ひとつ600グラムもある大きな実。果皮の色も実の味も、やさしくて酸っぱい。
これでジャムを作る。
皮も実も種もつかう。
皮は刻んで茹でて、苦味を薄める。実は袋から外してほぐす。種は水に浸しておくと、水がとろんとする。
皮と実と、とろみのついた水と砂糖を合わせて煮詰めていく。
ピンポーン!訪れた人が玄関で、「あら、いい香り」。
ブンタンのジャム作り。早春の心浮き立つ作業である。

ジグザグと

洗面所を整理した。
何度も洗濯され、陽に干されて薄くなったタオルを抜き出した。
三つに折り畳んで赤い糸を刺していく。
長方形の四辺をクシクシ、クシクシと。
次に対角線をクシクシと。
針を持つなど、取れたボタンを付けるときぐらいのもの。
刺した糸目はジグザグ、ジグザグ。
もう少し横線を刺してみようか?
渦巻き模様もやってみよう。
なんだか面白くて、終日、雑巾作り。
近づく春がこんな作業をさせたのだろうか。
慣れぬ運針で指先が痛む。

春の色

梅が咲き、馬酔木も咲いた。
イカナゴが届き、ブンタンも届いた。
すきま風の吹き込む家に暮らし、ストーブを焚きながらもなおその上に着膨れていたが、ようやく一枚脱ぎ、薄手のものに着替えた。
髪も短くカットした。
ちょっと来い、ちょっと来い♪とコジュケイが鳴く。
隣町へと走れば、車窓に過ぎていく街路樹の、まだ葉は付いてはいないけれど、枝という枝がなんだか赤みを帯びていた。
春の色なのだろうな~。