月別アーカイブ: 2014年12月

フンガイ!?

昨日は濃い藍色だった。
今日はオレンジ色。
車に点々とシミが付いている。
シミを付けるのは野鳥である。糞か?吐瀉物か?
凍てつく季節になると、家の近くの梢の辺りが騒がしくなる。そして、鳥の糞害らしきものを被ることになる。
オレンジ色はどうやら柿の実のようだ。
車のワイパーにつぶれた熟柿が引っ掛かっていた。自然に枝を放れてポタリと落ちてつぶれた、という形ではない。ついばんだ痕がある。
第一、柿の枝は車の真上には無い。
おいしそうな熟柿をくわえて運ぼうとしたけれど、落としてしまったのだろうな。気の毒に。
濃い藍色の正体は何だろう?竜のヒゲの実だろうか…?
家の周囲にはナンテンや万両などの赤い実が枯れ色の中で愛らしい風情を見せてくれているが、ある日、実がことごとく無くなってしまう。ヒヨドリのせいらしい。
車に赤いシミが付くことは無いのだけれど、ナンテンや万両があちらこちらに増えている。これも鳥の落とした糞のせいだろう。
この季節、いつもわたしの車はシミだらけ、枯れ葉だらけの汚い姿となる。林の中の住まいである。どこに停めても枯れ葉や枯れ枝が落ちてくる。
点々と付いたシミは、濡らしてもこすってもなかなかきれいにはとれない。
年の瀬の買い物にシミの付いた車で走れば、そこかしこに張り付いていた枯れ葉が、振るい落とされて舞い飛ぶ。

黄色いドレス

回覧板を届けてくださった。
おかあさんの後ろから小さな手が突き出た。ことちゃんがお手紙をくれた。
ことちゃんはわが家での作文教室に通って来ている。
今日は教室の日ではない。おかあさんにくっついてやって来た。
二つ折りのピンクの紙の中にお手紙。
「ピアノの発表会に見にきてくれてありがとう」のタイトル。
グランドピアノの横に女の子が立っている。髪にはリボンが飾られている。
客席にはたくさんの椅子が並べられて、”マエナカさん”が座っている椅子もある。
急いで描いたのか?色が塗ってない。

発表会にはまだ日があった頃、ことちゃんは家に届いたドレスのことが気になって作文が手につかなかった。
いつもなら、作文を書き上げて、感想を言ってもらって、おやつを食べた後も一番最後まで残って遊んでいるのだけれど、まだ終わりの時刻になっていないのに、おかあさんのお迎えも待たず、そそくさと帰って行った。
それほどにうれしかったドレスは優しい色合いの黄色のドレスで、ことちゃんによく似合っていた。
初めて出演した昨年は連弾であった。
今年はメヌエットを独奏である。
1年の成長はめざましいものがあった。
2回目の発表会なので赤い花を2輪包んでもらって贈った。
さあ、この先、何本まで贈ることができるだろう。

オトモツイタチ

12月1日の朝食は、小豆ごはんと茄子の漬物だった。昭和30年代、父母と妹の4人暮らしだった頃のこと。
オトモツイタチだ、と父親が言い、母親が調える小豆ごはんと茄子の漬物をカマドの焚き口の前に据えた小さな椅子に座って、押し込むように、ねじ込むように食べてから登校した。酸っぱい茄子の古漬けは小学生にはどうにも苦手な代物だった。
新年の前の月の1日は、新年にお供をする月だから、お供一日だったのか?とも思うが、1月から12月までの月をこどもに例えるなら、12月は末子だから乙子で、その1日、乙子一日、オトゴツイタチという風習が全国的にあるようだ。餅を食べる地方もあるらしい。
こどもの耳にはオトモツイタチと聞こえたし、父親も言い直しもしなかった。
オトモツイタチの朝は、まだ鳥の鳴かぬまに食べるものだと父親はうるさいが、登校前のあわただしい朝食どき、酸っぱい茄子をガマン、ガマンで食べた。

正月は正月で、銘々のお膳に、なんだかんだの縁起にちなんだ食べ物が並ぶのであった。