月別アーカイブ: 2014年8月

惜しい…?

8月、最終の土日曜である。
土曜日、久しぶりに夏らしい天気。
青い空に白い雲、オーシオーシ、ツクツクオーシ、蝉が盛んに鳴いている。
裏の林にウイーンウイーンと草刈り機の音が響いている。
カンカン炎天下に唸る機械音はいっそう暑さを増幅させるが、本日の音はなんとなく心地好い。
長い間、こんな音が聞けなかった。働く人の姿を見なかった。
じつは、裏の林の草刈りは、3日前にいったんは始まっていた。いや、例年であれば、盆前には草刈りは終わっているはずであった。
連日の雨に大量の水を含んだ木々も土もじっとりと湿ったままで、草刈りどころではなかった。
3日前、天気はなんとか半日ほどはもったが、その後のうっとおしさから、刈り残った分が本日に持ち越されていた。
80歳のフジモトさんが元気に草を刈ってくださる。
わたしもノコギリを持ち出して、枯れ木を根元から切り倒すことにした。
「足で蹴飛ばしたら倒れませんか?」と声をかけられてやってみたが、倒れそうにない。
枯れ木と言えど、ギコギコギコギコ汗水流して、たった1本、やっとのことで倒すことができた。
久しぶりの夏びより。こんな作業も本日は爽快!
オーシオーシ、ツクツクオーシ
惜しい惜しい、つくづく惜しい、法師蝉が行く夏を惜しんで鳴いている。

もう、秋?

そろそろ鳴き始めてもよい時間なのに聞こえてこない。
年齢のせいか、早朝に目覚めることがしばしばとなった。
ヒグラシ蝉に起こされることもあれば、ヒグラシよりも先に目覚めて、鳴き始めるのを待っていることもある。
雨降りでもなければ、4時40分ごろには一匹が鳴き始め、やがて、ケケケ、キョキョキョ、カナカナカナ…と林の中を駆け巡るように輪唱が始まるのに、今朝は5時になっても鳴かぬ。
5時15分…、遠くで鳴いているようだ。
未明の林に30分間に及んで響きわたったかん高い鳴き音ではない。
遠くから、微かに、鳴くのが聞こえてくる。それも10分間ほどで止んでしまった。
ヒグラシの鳴く夏の朝は終わったのか?

小さな緑色の虫、たぶんキリギリスが3匹、チョン、チョンと畳の上を飛び回っている。

猪が…。

雨、雨、雨、台風は過ぎたが本日も雨である。
乾燥機など持たぬ。洗濯物が乾かない。
真夏の炎天下に干したタオルはパリンと乾いて、拭えば肌を刺すほどだが、このところのタオルはヘナヘナ、やわやわである。
畳も床板もベタつく。
家にも人間にもカビが生えそうだ。
閉じこもるばかりの家から電話をかければ、電車で30分の町の人は、晴れてるよ―と言う。
テレビに映る甲子園では、太陽の下で高校生が汗を光らせている。
開会式が台風のせいで2日延びたことである。昨日など、降ったり止んだりの天気で、中断しながら試合が続けられていた。
なんとか好天気の下でプレイをさせてやりたいもの。
甲子園が晴れでひとまず良かった。
近隣の町は太陽が照っているらしいのに、この町の上には雨雲が貼り付いているようだ。
しとしと、ベチャベチャ、ザアザア…、弱くなったり強くなったりの雨が続いている。
カンカン照りも苦しいが、夕立ならぬ梅雨か時雨かのような雨続きの夏も気分がふさがる。

降りしきる雨の中、大きな猪が山から出てきた。
窓越しに5メートル先。
草の中に頭を突っ込んでモゾモゾとやっている。
昼間に、こんな家の近くをうろつく猪を初めて見た。
猪もまた、連日の雨のうっとおしさに耐えかねて、ねぐらから出てきたのだろうか?

夜中のヒグラシ

非常に激しい雨
猛烈な雨
氾濫の危険水位を越えた
避難指示、勧告が全国で150万人に出た
厳重な警戒を
最大級の警戒を
非常事態です      etc. etc.
テレビでラジオで、繰り返し繰り返し、台風11号の情報、映像が流れる。
ノロノロと進む台風の矢印は兵庫県を指している。ここが直撃されるのか?
8月9日、夜、木々も揺れず雨の音もしない。警報が出ていることで車も走らず、静まり返ったまま時間が過ぎる。やがて、この静けさを破って台風襲来となるのか?
真夜中にヒグラシ蝉が鳴く。
嵐の前の異常な気配に悲鳴を上げるのか?
雨戸を閉ざし、懐中電灯とラジオを枕元に置き、着の身着のまま床に就いた。
風雨の荒れ狂う夜も恐ろしいが、来る、来る、非常事態です、などという予告が繰り返されるのに、静まり返っている夜も不気味である。

林の中の家である。小屋である。
ひと抱え以上もある桧が倒れたら、小屋はペチャンコにつぶれるだろう。裏の山が土砂崩れをおこしたら、支えるものも無しに小屋は押し流されるだろう。
あれこれ思うと眠れない。
「近畿地方を暴風圏内に巻き込みながら北上中」だと言っている。
猛烈なヤツが激しくやって来るのか?いったいどれほど危険なヤツが来るのだろうか?
けれど、明け方まで、やはりあたりは静かだった。
もー、疲れた。猛烈な台風が襲ってくる前に、時々刻々の最大級の警告に、猛烈に疲れた。

朝になって、ようやく雨が強まってきた。
いっとき、激しい雨風が吹き荒れ、雷も鳴ったが、台風を待つ間の恐怖心が、いよいよまさにその時になって倍増することはなかった。
昼過ぎにはニイニイ蝉が鳴き始めた。
雨戸を開け、玄関を出て家の周りを歩いた。大きな枝が折れ、散乱している。枯れた木が車の屋根に乗っていたが、幸い傷はついていなかった。
山へと続く道は川となって勢いよく水が走っている。
最大級の厳重な警戒が呼びかけられ、もしかしたら…の覚悟もしたが、繰り返しの情報にどんどん恐怖心をあおられてくたびれ果てた。

お見舞いの電話が続いた。
隣家のことちゃんおかあさんも様子を見に来てくださった。