虹の向こう側に……

dav

朝、急な買い物があって時雨の中をコンビニまで走った。
数分で買い物を済ませて帰る途中、右手前方に虹を見た。
走っている国道から脇にそれて、1つの集落へと続く道の上に、林と林をつなぐように虹が架かっていた。
虹の向こう側へと続く一筋の道を行けば、左手に墓地がある。
もう少し行けば右手に池。
池から人家が始まる。
戸数30の集落であった。
ほとんどが農業を生業としていた。田畑にはいつも人の姿があった。
小学生たちは列を作って学校へ4キロの道を歩いた。
下校のときは3人、4人連れだって帰った。
農作業中の人たちが腰を伸ばして鍬を支えにしながら、「お帰り!」と声をかけてくれた。
半世紀以上も昔の情景である。
今、田畑にめったに人の姿は無い。
集落に人が住む家は20数戸。小学生がいる家は1軒。登下校はスクールバスである。
わたしの生まれ育った家にも今は誰もいない。
林から林へと架かる虹。その下に一筋の道。
涙が湧いた。

虹の向こう側に……」への2件のフィードバック

  1. ぷふ

    朝からポツポツと雨です。
    虹をみて色んな想いが込み上げてきますね。
    昔の風景、どこも消えて行ってます。
    田舎に育ってこそ、想い浮かぶ風景、心の中でも大切にしたいです。

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  2. 白井 甚一郎

    久し振りに拝読いたしました。8才上の姉が入院しバタバタが続いており途端に視野が狭く何事にも関心度が薄れてしまいました。少し寂しさも感じるからかもしれませんが前中さんの文を読みたくなりました。虹の向こう側に読みながら子供の頃を思い出し うん、うんと引き込まれました。最後の涙が湧いたに じ~んと昔を思い出し感傷に浸りました。良い日が続きます様に。

    返信

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