どなた?

雨の中、Mちゃんが山蕗とほうれん草を届けてくださった。
Mちゃんは小学校の同級生である。ときどき、元気な野菜を届けていただく。本日の野菜も、これは何?というほどに大きなほうれん草と、葉を取り、茎を揃えて束に結わえた山蕗。このまま店に並べられそうにきれいに整えられた野菜であった。
ご近所からも、いま掘り上げたばかりという土のついた野菜をいただく。
留守をしていたときは、野菜の入った段ボール箱に、食べてください。〇〇、とお名前が書いてある。
玄関のドアノブに、大きな夏みかんの入った袋がぶら下がっているときは、可愛い絵柄の便箋に、熊本のおばあちゃんのみかんです、と書いてある。
以前、近所に住まわれていたが、現在はお顔を見る機会もめったにない。なのに、故郷のおばあちゃんのお庭のみかんが実ったから、と届けてくださる。
あらかじめ、不在のときのための用意をしてくださっている。いつものこと。ありがたいこと。
果汁たっぷりのみかんの実も皮も全て使ってジャムにする。
玄関の扉に苺の入った袋が下げられていた。中にはメモ書きもなにも入っていない。苺は買ってきたものであった。さて、誰だろう?
電話があるだろうか、と待ったが、いっこうに電話は鳴らない。心当たりの二人に尋ねたがご当人ではなかった。
誰彼に尋ねるわけにもいかず、いっとき迷いはしたが、結局、おいしくいただいてしまった。
誰からの贈り物かを確かめもせず、食べてしまったの?と忠告されたが、まさかねー。
それにしても、どなた?苺をくださったのは。

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