かがめず、靴下が履けないときには履きやすくする道具を。
着替えのズボンが引き上げられないときにもその対策を。
ふくらはぎも足首も痛い、と言えば、靴の中に、土踏まずや踵の位置にひとくふうした中敷きを入れてくれる。
クリップや紐やボードなど、手近にあるものを切ったり、貼ったり、結んだりして、便利な道具を作ってくれる。
作業療法士、理学療法士、そんな資格を持った若い人たちが、この太った老人の脚をなでたり、押さえたり、引っ張ったり、さまざまな療治を施してくれたうえに、便利な道具を手作りしてくれる。
こんな便利なものが市販されていますよ、と勧められるのではない。
ボードをカットする際の下書の線がゆがみながら残っているのも、なんだかうれしい。