運動①

小中学校9年間は、片道およそ1里を歩いて通学していたけれど、
72年の生涯は、走らず、泳がず、跳ばず、動かずの歳月であった。
運動会で目の前が開けていることは無かった。いつも何人かの背中を見て走った。
マラソン大会のときは、たまたま?腹が痛む、風邪気味で……と親が届けてくれた。
高校3年、最後の年ぐらい、と参加したら、ゴールしたとたんに気絶した。
気がついたら朝礼台の上に置かれていた。ビリではなかったらしい。
大学時代の体育の時間は遊びのようなものだった。
アメフトの監督であった先生は、女子には寛大寛容で、走れとも跳べとも言われなかった。
冬、キャンパス外のスケート場での授業は、行ったという証明書があるだけで良かった。
仕事に就いてからは取材の旅があり、ときには山道を歩き、ときには岬の突端に行くこともあったが、
後に酒、料理、温泉という楽しみが待っていた。
老いてからの日々、周囲にはせっせと歩いている人を見る。
ヨガにプールに体操に、グランドゴルフに……と熱心な人たちが多い。
興味が湧かぬ。

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