ツワブキ

11月。
山々は急ぎ足で紅葉を始めた。昨日と今朝では色合いが異なる。
黄色、紅色、緑色、そのどれもが薄く濃く、グラデーションを見せ、こんもり、こんもりと紅葉の塊を連ねている。
家の周りに散り敷いた桜や柿の落ち葉を掃く。
月めくりのカレンダーは2枚になった。
黒一色の切り絵の風景画である。
11月の絵柄には“四斗谷の家“のタイトルが付けられている。
本の返却に図書館に行ったとき、ちょうど開催中だった切り絵展を見ていたら、生まれ育った集落の名前が添えられた作品があった。
作品の構図は、およそ下半分に、たぶん、ツワブキと思える植物群が描かれ、上部には、山を背に大きな屋根、庭にそびえる木々…。
見覚えのある景色であった。わたしの生家がここに描かれている。
画面に大胆に描かれているツワブキは家の門の内側にあって、門先や道端には無い。
描いた人は、まるで我が家の庭を見通したような絵であった。
かつて、家人が居たときに訪ねられたのだろうか?
切り絵のグループの作品展であったが、当の作者が会場におられることが判った。
「これはわたしの家です!」。興奮した口調であっただろう。
題材を探してドライブの途中、小さな集落に入り込み、描きたくなった風景だった、と説明をしてくださった。
門の内側に咲いているツワブキを見たわけではない。家のたたずまいと季節から想像を巡らせてのツワブキであった。
展示会終了後、カレンダーにします。できあがったらお届けします、との言葉どおり、1年後にカレンダーを届けてくださった。
それからまた1年たって、11月の絵柄となって登場である。
無人の家の庭に今年もツワブキは、光沢のある葉の上にスックと茎を伸ばし、鮮やかな黄色の花を咲かせているだろうか。

ツワブキ」への2件のフィードバック

  1. Zinitiro Shirai

    え!と思わず声が出た。私の3日のFacebookは黄色い花を滝の上に見つけた。
    4日は近づいたらツワブキ(石蕗)の花だった。山陰の小京都津和野はツワブキから
    名付けられた様であるの文である。 私が2日公園で黄色い花を見つけたのを3日と
    4日にFBに投稿したのです。 私のFBが見れるなら本当に同じテーマだと和子さんも
    屹度ビックリするのではないだろうかと思った。  (友達でFBをしている方のスマホや
    PCなら私のFBを覗けますよ)ツワブキについての文の投稿は生まれて初めてだった。

    返信
  2. ぷぷ

    切り絵の中の生家に出会われたなんて!
    生家ご呼んだのでしょうね。
    そしてツワブキ、作者心の目にはくっきりと庭のツワブキがみえたんでしょうね!
    カレンダーが見たくなりました。

    返信

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