ぐんぐん、すくすく。

dav

3兄妹弟が来てくれた。
おとうさんと一緒に。回覧板を届けに来てくれた。
たくみくん、ちいちゃん、かんたくん。3年生と1年生と幼稚園児。
あかちゃんのときから見ている。
あかちゃんのときは末っ子のかんたくんが大きかった。
お座りができるようになると、ちょっと貫禄さえあったなア。
今はすっきり、スマート。
おにいちゃんとおねえちゃんはサッカーを始めた。
朝、1列になって登校のとき、ときどき道の反対側から見送っている。
視線を合わせてはくれない。
上級生と登校中は緊張ぎみ。声をかけないでネ、と身体中で言っているようだ。
今日はおとうさんと一緒。
おとうさんと親しげにしゃべっているおばあちゃんだからかな?3人ともに盛んに話してくれた。
大きく口を開いて、おとなの歯が生えて来た、と見せてくれた。
3兄妹弟、ぐんぐん、すくすく成長している。

梅雨の中で

dav

4時半。ヒグラシ?
そうだった。毎年、夏の朝、未明、ヒグラシが鳴き始め、次々と誘われるようにカナカナカナと鳴き音が加わり、やがては林から林へ、およそ30分間の輪唱が続くのだった。
今日も太陽キラキラ暑くなるぞ~との前ぶれのようでもあった。
今はまだ梅雨の最中である。昨日など、襟元に薄物を巻き付けた。
過去を調べて最も遅い6月下旬の梅雨入りで、明けるのは7月下旬だろう、との予報である。
昨年、近畿地方の梅雨明けは7月6日だった。
今年も明けたか?と這い出て来たのか。
4時半。鳴いて見たけれど、カナカナカナ……が続かない。。
輪唱とはならなかった。

ヤモリ

dav

初めて見たヤモリの尾は短かった。
どこかで切れたか?そんな体形か?
尾の短いのが特徴なので、次に来たときに、あのヤモリだとわかった。
以来、初夏になるとやって来ていた。
1匹だったのが2匹になり、そして、昨年は3匹になった。家族ができたのだろうか?
なんだかグロテスク、と思っていたのが、毎年やって来るのを見ているうちに親しみもわき、
ヤモチャン今年も来たか、とうれしくもなっていた。
けれど、今年、あの尾の短いのはまだ現れない。
今年のヤモリは大小の差がない2匹。
昨年小さかったのが成長したのだろうか?新顔か?
ともに尾が長い。
台所の流し台の前の窓ガラスを縦横に這いまわっている。プクンとふくれた腹を見せて。
小さな虫を捕らえる姿はちょっと怖い。

わたしの場合

dav

そのとき、告げる方がいいか?と知人に言われた。
言動があやしくなってきたとき、もの忘れがたびたびになってきたとき、
この頃ヘンだと忠告してほしいか、見守っているのが良いか?と。
どうだろうなぁ……。
「この頃おかしいよ、と教えてもらいたい」と答えた。
もうすでに始まっているのかも知れない。
あれ、それ、あそこ、どこへいった?ここにあったのに……は、しょっちゅうだから。

出てくる。

dav

ごめん、と言いながら木の枝で蜘蛛の巣を払う。タオルが干せない。
そっちはダメ、と蟻の行列に水をかける。家の中に入って行きそうだから。
頼むから退いて、と念じながらポイポイと石ころを投げつける。ぶつけるわけではない。
車1台が通れるだけの道を蛇が長々とふさいでいる。
若葉がきらめき、まぶしい季節。
蟻や蜘蛛や蛇もトカゲも……。出てくる。出てくる。

終わりかた

dav

椿の花を箒でつつく。
乱暴なことを、と眉をひそめられたが、同様のことをする、と言う人もいる。
椿の花がポトリと落ちる。潔いとも、不吉とも言われる。
色褪せてもなかなか落ちない花がある。
落ちたけれども木の股に挟まったまま茶色くなっている花もある。
艶やかに、絢爛と咲き継いだ花が、ゆっくりと朽ちていくさまは何とも無惨。
だからもう、チョンチョンとつついて落としてやるのですよ、とうなずきあう。

新学期

dav

新学期が始まって2週間。
今年はずいぶん長く咲き続けた桜の下を児童たちが登下校して行った。
わが家の前は四叉路。下の道から、左の道から、集落ごとのグループがやって来る。
横断歩道を渡るときは、駐在所のおまわりさんが安全を確かめて誘導している。
駐在さんも、この春、この町に家族で赴任してきた新人さんである。
下の道からやって来るグループの中に、1年生のちいちゃんが、大きめの黄色い帽子を傾かせて、うつむきかげんに歩いている。
何かと声をかけたがる近所のばあさんが、道端の椿の木の下に立っている。大声で呼び掛けられたらイヤだなぁ、なんて思っているのかなぁ?そっと見ているつもりだけれど。
週末の朝、ちいちゃんの右手が腰のあたりで小さくヒラヒラとしたような……。
「おはよう」の合図だったかな?

満開

dav

例年より1週間も早く咲いたー、日記帳の日付は昨年の3月24日。
山の白い花の開花はいつも3月の終わり頃。山肌にポツンと白いものを見つけたと思う内、翌日にはパラパラと、その後にはまるで白いハンカチを撒き散らしたように咲いて、ああ、やっと山里に春が来た、と思わせてくれる花である。ニオイコブシともタムシバとも呼ばれる。
今年は4月に入っても白いものは見つけられなかった。
まだ?なぜ?どうした?遅いねぇ!
待っていた。
ようやく、白い花を見つけたのは4月9日。日に日に広がっている。やれやれ。
4月に入ってから雪が降ったりで、寒い日が続き、桜が今も爛漫と咲いている。
モクレン、椿、ユキヤナギ……。土手には菜の花、タンポポ、オドリコソウ。
山桜も咲いた。三つ葉ツツジも咲き始めた。
山里に春、満開。

ヘチョ、ホ、ホ~?

dav

洗濯物を干していたら、チョットコイ、チョットコイとコジュケイが呼ぶ。
デデッポー、ポーポー、春だ春だ、良い天気だと山鳩も騒がしい。
ヘチョ、ホ、ホ、ホ~?などと調子っぱずれは、たぶんウグイス。
半月ほども前、もう少し上手な鳴き音を聴いたのだけれど……。
今朝のウグイスは何ともヘタクソ。まだ幼いか?
せいぜい練習しなければなぁ。
林の木々の新芽がふくらんで、ようやく春の気配になってきた。

かも知れぬ。

dav

山里暮らし、不思議なことがチョイチョイ起きる。
ちょっと来い!と激しく呼びかける鳥はコジュケイだと判明した。
勝手口の履き物がまたしても無くなるのは、キツネかタヌキがくわえて行くらしい。
もう飽きたのか、この頃、勝手口の履き物は無事である。
近ごろまた、判明しないことが起きている。
林の木を何本か伐採したとき、頃合いの寸法に裁断してもらって林の中に置いた。どっしりと安定感のある椅子ができた。
ある朝、1つが横倒しになっていた。
前夜、風が強かったので倒れたのだろうか?昨夏の大嵐にも倒れなかったのに……。
ヨイショと起こして立てた。倒れないようにゴリゴリとねじ込むように立てた。
あれから半月。
また倒れていた。
前夜は風も吹かぬ穏やかな夜だった。
家の周りには、夜な夜なシカの糞が落ちている。木の皮や枝をかじりとった痕もある。
イノシシがゴロンゴロンと転げ回った跡だと教えられた場所もある。
その角、その牙で押し倒したのかなア?
モグラが持ち上げたとか?
かも知れぬ。
そんな山里暮らしである。